海と空と石と

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滑川市では私は「海が見たい」とわがままも言い、同市立博物館学芸員の近藤さんに漁港入り口の灯台付近を案内していただきました。

季節によってはホタルイカが光ったり、蜃気楼が出たりすることで有名なこの海。たくさん転がっている丸石は、もとはといえば三千メートル級のアルプスから早月川が落としてくる大岩だそうです。それが急流で砕かれ、やがて海に着く頃には小さくなり角も取れて丸い小石となるのです。

波打ち際ではぎっしりと並んだ小石が転がり、まるで無数の小さな生き物でもいるようにちゃらちゃらちゃらちゃら・・・と鳴り続けていました。「礫浜(れきはま」もしくは「石浜」というのだそうです。

向こうに見える海は見たことがない色をしていました。そして「鉛色」とよく表現される、日本海に独特な空。石はとてもいろいろなものがあって、その中から、雲母のキラキラがたくさん入ったまん丸な花崗岩をひとつ、浜からいただいて持ち帰りました。

長女が大好きだったレオ・レオニの絵本に『はまべにはいしがいっぱい』という本があります。不思議な石の鉛筆デッサンが延々と続く本なのですが、まさか本当にこんな浜があるとは。

漁港をあとにしてからは、北陸街道の宿場町として栄えた滑川の古い町並み「宿場回廊」や、滑川の歴史と自然がわかる滑川市立博物館を見学させていただきました。<>2016/01/24


早月中学から届いた感想文

325滑川市立早月中学校から、生徒さんたちのすばらしい感想文が届きました。
以下は、私が読みながらまとめた要旨のメモです。直感的、衝動的に始めた写真プロジェクトですが、写真が伝えたものは非常に大きかった・・・思ったとおりです。
そして、私のような3人の子の思春期も受験も終えた者が語ったことも、親との関係がデリケートな十代の心は何かを感じてくれたようです。
実は滑川市では助産師さんによる「命の教育」をみんな受けています。私の話はその次にジャーナリストで写真も撮っている人が来たよという感じで行き、不妊、晩産化、少子化の授業をした形です。感想を読むと、この組み合わせが大変よい効果を生んでいることもわかりました。
出産についての教育は、このように複数の職種で、シートを何枚も重ねていくように進めていくことが大事なのかもしれません。

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・妊娠なんて何にも関心がなかったし、まだまだ先のことだし、ただの一度も考えたことがなかった(この声、非常に多数)。

・でも、聞いたら大事なことだった。今日は初めて親の立場に自分を置いた。今日は親になることを考え始める一歩を踏み出せた。
10代からできることがあった(ハード過ぎる部活による無月経に気をつけるなど)。

・子どもは大人になれば誰でも自然に生まれると思っていて、産みたいのに産めない人もいるなんてびっくりした。赤ちゃんは本当に授かりものなんだ。そして生まれることができた僕の命も貴重なもの(この声、かなり多数)。

・親になるのは大変なことだけれど、それ以上に喜びがあることがわかった。写真を見たら、生まれたらあんなに喜ぶんだと思った。
私はお母さんになるのは不安だった。すごく痛いって聞いていたから子どもは産みたくないと思っていた(この声、かなり多数。会場で聞いたときも子どもが欲しいと手を挙げた子は少数だった)。けれど、写真に出てくる人がとても幸せそうだったから、やっぱり私も産みたい。産む自信が出てきた。

・お母さんが自分を産むときにがんばってくれたことに感謝(かなり多数)。お母さんが自分やきょうだいを産むときに経験した流産や帝王切開、早産のこと。(お母さんの年齢が高い子)お母さんは高齢出産だったけれどがんばって僕を産んでくれたからありがたい。(お母さんが若い子)お母さんは若いときから産んでくれたから私にはきょうだいがたくさんいて楽しい。

・写真に写っていた助産師さんたちは第二の母親のようだ。いつも緊張の中にいると思うけれど、すごい。かっこいい。こういう人がいるのなら安心だ。(自分にはできないという声と自分もなりたいという声が半々)

・少子化がこれからどんどん進むことがわかった。国の推計を知ってびっくりだ。それに、単にいやだから産みたくない人が増えただけだと思っていたけれど、実際には、こんないろいろな真実や思いがあったのか。産みたいのに産めない人、ためらってしまう人も多いんだ。少子化を止められる社会にすべきだ。子どもを産む人にもっと温かい社会は何か考え、人々の意識を変えることが大事だ。

・妊娠や出産では悩んでいる人がたくさんいるとわかった。不妊治療をしても妊娠しなかったり、流産を繰り返すなんてすごく悲しいだろう。もっと悩んでいる人を助けてあげるべきだ。(男子)僕は男だから産まないけれど、その時には女性を一生懸命支えたい。

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中学生という年齢の子どもたちからもこのような言葉が出てくることを、たくさんの方に知っていただきたいと思います。<>2016/01/24

富山県滑川市の中学校で授業

3241月16日、富山県滑川市の早月中学校で日本が晩産化という問題を抱えていること、子どもを産むということは若い時から考えておいて欲しいことなどを「土曜授業」で全校365人の生徒さんにお話してきました(写真は同校・坂口司校長先生との記念写真です)。
そのあと、午後は、市の関係者の方や父兄の方、これから産みたい方などを対象に同じホールで市民講座。今回のこのイベントが実現したのは、実は、滑川市の上田昌孝市長が昨年6月、私のNHKラジオ「午後のまりあーじゅ」を偶然聞いてくださったから。上田市長は車で移動中にラジオを聞いて、目的地に着いても「全部聞きたい」と時間の許すかぎり駐車場で聞いて下さったのだそうです。
市の皆さんにも「この人ほどたくさんのお医者さんや現場に足を運んで話を聞いてきた人はいない」と私のことを紹介してくださいました(涙)。
滑川市は「子どもが真ん中」という方針を提唱してきて、早月中学で手を挙げてもらっても3人っ子がびっくりするほど多くてこのまま子どもが増えて欲しい町です。
どちらも最後には、12月から撮ってきたファン助産院の写真をスライドショーにして流しました。私には、初めて本気で写真をお産の仕事に使った経験になり、年配の男性からも「よかった!」と言っていただきました。子どもを産む場では、産むのは確かに大変なことだけれどものすごく大きな喜びがやってくること、励まし合い、笑い合う光景があふれているとても温かい場になり得ることを映像で思う存分伝えました。
市長さんは元・陸上部の選手で今ようやく話題になってきた女性アスリートの問題に当時から取り組んで来られたそうです。また、お話してみたら、早月中学校の校長先生もお母様が助産師さんだったそうで。亡くなられたそうですが「もっと話を聞いておきたかった!」と言っておられました。
生徒さんたちの感想文、届くが楽しみです。
偶然に同日入善からあわの産婦人科医院の水島師長が仕事で来ていらして、久々に再会できたのも不思議。
本当にさまざまなご縁に導かれてのお招きでした。<>2016/01/16